茶道で伝え継がれる「利休七則(りきゅうしちそく)」。 New!

こんにちは。花祭窯おかみ&アートエデュケーターのふじゆりです。

福岡博多の禅寺で受け継がれている「南方流」という茶道場に入門しています。毎年一月に「初釜」の茶会があり、一年のお稽古がスタートします。茶道には、表千家・裏千家をはじめ、さまざまな流派がありますが、その多くは千利休の教えを元にしており、作法の些末な違いはあれど、大切にすべき精神は共通しています。

利休の教えの基本をわかりやすく伝えるものに「利休七則」があります。お茶のときだけでなく、日々の生活や仕事の場面でも応用できる姿勢だと思いますので、ご紹介しますね。

一、茶は服の良きように点て

一、炭は湯の沸くように置き

一、夏は涼しく冬は暖かに

一、花は野にあるように生け

一、刻限は早めに

一、降らずとも雨の用意

一、相客に心せよ

いかがでしょう。利休が言わんとしたことを、ご自身の生活に照らしてみることができるでしょうか。ここでは個別の解説は避けますが、七則のひとつひとつは、実にシンプルです。どれも「さすが利休!」と感嘆する内容というよりは、一見「あたりまえの心がけ」と言えそう。その「あたりまえ」をあたりまえに貫くことが、いかに難しいかを示唆しているところが、さすが利休なのだと思います。

この七則、どれも心に留めておきたいものですが、なかでもわたしのお気に入りは「炭は湯の沸くように置き」。炭を組み種火をつけても、炭の置き方が悪いと途中で火が消えますし、炭に火がついても釜の位置と合っていないと、なかなかお湯は沸きません。同じようなことはお茶以外の場面でも心当たります。行動に、思うような成果が伴わないときは、炭(に該当するもの)の組み方が違うかな、釜(に該当するもの)の位置と合っていないかな、と省みることができるのです。


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
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