その9「書き初め」

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。本年もよろしくお願い申し上げます!

花祭窯の新年は、1月2日の書き初めでスタートします。もともと家族行事でしたが、「お正月どこも行かずにヒマ!」というお友だちに声をかけてみたところ、大好評。お昼前頃から夕方にかけて、ご近所さんやお友だちが三々五々に現れては「今年の抱負」を文字にして行きます。

筆を手に半紙に向かうのは一年のうちこの日だけ、という人がほとんどです。最初から書く文字を決めてくる人もあれば、他の方が書くのを見ながら字を考える人も。書いているうちに「なにか違う」と、文字を決め直す人もいます。実はこのシンキングタイムも、書き初めの楽しさのひとつ。

上手い字を書くのが目的ではなく、一年の計をわかりやすく見える形に(文字に)するのが目的です。真剣に取り組みつつも(真剣だからこそ!?)、皆さんなんとも楽しそう。そして仕上がったときの嬉しそうなお顔を拝見すると、その場にいる皆が笑顔になります。

「抱負」は「豊富」と音が同じ。今年一年が心豊かな日々となりますよう、書き初めで文字に託すのは、素朴で素敵な文化習慣だと思います。書道具でなくても、筆ペンと自分好みの紙さえ用意すれば気軽にできる書き初め。この機会にぜひトライしてみませんか。

1月の花遊び:水仙

水仙が大好きです。香りもよく、お正月飾りにも使われることが多いですね。
水仙は「束」で「縦」に生けることを意識すれば、花器の形を問わずカッコよく仕上がります。束がバラバラにならないよう、下の方を長めに輪ゴムで留めておくと、あとは挿すだけなので簡単です。

ふじゆりさんのコラム「日日是好日」好評連載中。過去のコラムはこちら


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
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