こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。
12月になると「今年はどんな本を読んだかな」が気になります。毎年「今年読んだ本ベスト5」を出すのを楽しんでいます。とはいえ「ひと月に〇冊以上読む」とか「今年はこのテーマの本を読む」などの読書目標を設けているわけではありません。わたしにとって読書はあくまでも、「すべきこと」ではなく「したいこと」。図書館で借りるときも、本屋さんで買うときも、その時々の気分の赴くままに「今読みたい本」を手に取ります。
そうして読んできた本のタイトルを振り返ると、一年間の自分の志向の移り変わりや、優先順位が客観的に見えてきます。無意識の関心に気づくこともあります。もちろん仕事上の必要に応じて手に取ること少なくありませんが、そのときも「読まなければならない!」のではなく、あくまで「読みたい!」本を選ぶスタンス。その結果として「この一年の自分の内側」が反映されてくるのだと思います。
例えば2018年の「ベスト5」は、第5位『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)、第4位『英語でアート』(マール社)、第3位『イギリスと日本−その教育と経済−』(岩波新書)、第2位『15の夏(上・下)』(幻冬舎)、第1位『日の名残り』(早川書房)。小説あり、自伝あり、実用書あり、エッセイ・ノンフィクションあり。40年以上前に書かれた本から出版直後の最新刊まで。一見バラバラな選書のなかに見えた共通点は、「海外文化への興味」でした。
そういえばここ数年、海外とのお仕事を通して、語学力の必要性を感じる一方で、それ以上にコミュニケーションをとる相手の背景にある歴史や文化をもっと知りたいと感じていたのでした。
読んだ本を通して、自分振り返り。ときに我ながら思いがけない発見もあり、楽しいですよ。
12月の花遊び:クリスマスカラー
クリスマスカラーが街中に増えてくる季節ですね。寒さで花の少ないときも、室内に季節を採り入れることはできます。庭先にある常緑のヤツデの葉に、これから赤くなるナンテンの実と、秋の名残りのムラサキシキブを合わせました。「緑+赤」の色を押さえるだけで、なんとなく雰囲気がでるから不思議です。
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花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)
「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。
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