その6「ふじゆり流展覧会の歩き方」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

文化の秋到来。この季節、美術館や博物館に展覧会を観に行くご予定のある方も多いのではないでしょうか。
今日は「わたしにとっての一番を見つける」美術鑑賞の方法をご紹介したいと思います。
名付けて「ふじゆり流展覧会の歩き方」。わたしが毎回やっている方法です。

ポイントは、展覧会を2周以上すること。行列のできる展覧会ではなかなか難しいかもしれませんが、できるだけ人の少ない時間帯を選んで、チャレンジしてみてくださいね。

1周目:サーッと回ります。このとき大切なのは「作品そのものを観ること」で、パネルやキャプション(解説)は一切読みません。ただ作品を眺めるなかで「あ!」「あれ?」と心に引っかかるものがあったら、その作品の場所を覚えておいてください。ちなみにわたしが一つの展覧会のなかで引っかかる作品は、だいたい2-3点。1点しかないこともあります。

2周目:1周目で「あ!」「あれ?」と思った作品のところに直行します。「どうしてわたしはこの作品が気になったのかしら?」と考えながら作品をじっくり見てみます。色づかい・描かれているもの・全体の雰囲気など、なにが自分の心に訴えてきたのかを見つける気持ちで。作品にギリギリまで近づいたり、ちょっと離れてみたりしながら。キャプションは、そのあとで読むのがおすすめです。

3周目:時間と状況が許せば、最後にもう一周サーッと回ります。このときは、自分が気になった作品が、展示全体のなかでどのように位置づけられていたのか?を考えながら。

美術展、せっかく観に行ったのに疲れてしまって、内容がほとんど印象に残らなかった、なんて経験はありませんか?すべての作品を平均的に見ようとするよりも、たったひとつであっても自分の感性に引っかかったものをじっくり見る方が、後から振り返って「あの展覧会で、あの作品に出会った!」と印象に残るものです。

美術作品に向き合うことは、自分の内面に向き合うことにもつながります。よかったら試してみてくださいね。

10月の花遊び:小さな花々。

スーパーで切り花の束を見つけたので買ってきました。
小さな花がたくさん集まると、無造作でも可愛くなります。
気にしたのは、花器に対して花の背が高くなり過ぎないよう茎を短めに切ることと、
花を一つでも多く見せたかったので、余分な葉っぱを思い切って落としたことの2点だけです。
野花を摘んできたような雰囲気が出せたらいいなと。

ふじゆりさんのコラム「日日是好日」好評連載中。過去のコラムはこちら


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