お気に入りを再活用―アップサイクルを愉しむ。

こんにちは。花祭窯おかみ&アートエデュケーターのふじゆりです。

2025年もどうぞよろしくお願いいたします!

お正月とは全く関係のない話題になりますが…若かりし頃、とても気に入って使っていたバッグがありました。気に入っていたからこそ、当時営業職で外回りをしていたわたしは、雨の日も風の日も持ち歩きました。手入れは我流でクリームをつけて塗るぐらいで、気がつけば、キズやひび割れやシミがたくさん。クリーニングに出しても解決しませんでした。捨てるしかないかと諦めかけたある日、バッグ内側のポケットに使われている革が、とてもきれいな状態であることを発見。ポケットだけでもと取り外して保管し、長い間そのままになっていました。

昨年の夏のこと、革職人をしている友人がランドセルのアップサイクルを受け付けていると聞き、ランドセルじゃなくてもお願いできるか相談したところ「喜んで!」と快いお返事をいただきました。ポケットに使われていた革二枚を見てもらうと、好い状態で、使えるということ。常々欲しいと思っていた「くるくる巻くタイプのペンケース」と「鍵が迷子にならないキーケース」を作っていただくことにしました。制作にかかる約一か月の待ち時間は、とてもワクワク。今も完成品を手にするたびに、顔がほころびます。

アップサイクル。言葉のはじまりは、一九九四年ドイツに遡ると言われています。日本語にすると「創造的再利用」。創造的価値が加わるところが、「リサイクル」との違いなのですね。わたしは手先が不器用なので、自分でアップサイクル品を生み出すことは難しいのですが、今回は、信頼できる「つくる人」のおかげで実現することが出来ました。昨今はSDGsと関連付けて語られることも多いですが、理屈をつけなくても、お気に入りを再び手にする喜びは、とても大きなものです。


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
ふじゆりスタイル

一覧

執筆: | 公開: