その52「2024上半期読書ベスト5」

こんにちは。花祭窯おかみ&アートエデュケーターのふじゆりです。

皆さん、本、読んでいますか?
本日はこの半年の読書記録から、面白かったタイトルをお裾分け。

第5位『犬のかたちをしているもの』高瀬隼子著
読後「ふつうって何だろう?」と考えさせられました。穏やかな文体に、鬱積と反発のこもった小説です。同著者の『おいしいごはんが食べられますように』もお薦め。

第4位『告白』湊かなえ著
映画でご覧になった方も多いかもしれませんね。語り手が次々に変わり、徐々に全容が明らかになるミステリー。語り手が自らを正当化するための嘘をはさむ姿に、人間の弱さ狡さを突き付けられます。

第3位『科学の授業をはじめます。』ボニー・ガルマス著・鈴木美朋訳
現在のジェンダー論に繋がる、一九六〇年代米国の女性科学者の物語。本書が今世界中で読まれている理由がわかります。主人公と一緒に怒り、挫け、励まされる一冊。

第2位『家庭用安心坑夫』小砂川チト著
すごい作家さんを発見。SF?ミステリー?説明が難しいです。少し視点をずらせば大爆笑のコメディ的要素がありながら、妙な現実感を伴って狂気と恐怖が迫ってきます。読む人を選ぶかも、です。

第1位『バッタを倒すぜアフリカで』前野ウルド浩太郎著
バッタ博士の、十年以上にわたる探求と研究と成長の物語。学術書的要素もありますが、むしろ冒険書。中高生・大学生あたりにお薦めしたい本です。とにかく文章が面白く、笑いながら読みました。

今回は『バッタ…』以外は、全て小説が上位を占めました。本は、現実の喧騒・日常の雑事から逃れる、手軽で身近な避難場所ですね。


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
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